枠の内

長慶寺の家です。

いよいよ解体がはじまりました。

しかし、ここに至るまでには様々な議論がありました。

その理由はこの建物  ↓

富山地方に広がる伝統的な住宅の形態(アズマダチ)の建物です。

長年この場所で愛され続けたこの建物。
その佇まいは富山の田園風景をイメージさせるとても力強い形です。

それに加えこの建物にはこれがあります。  ↓


これまた富山の伝統的な空間「枠の内」です。

家のど真ん中に枠の内という伝統的な工法で作られたシンボリックな空間があります。

枠の内は家の顔となる重要な空間。
家主はこの場所にお金をかけ、お客様を迎える場所をつくります。

家主さんがこの場所にかけた思い、そして職人さんたちの技術力、
この場所にはいろいろな思いが詰まった力強さがあります。

今、私たちがの作っている住宅に足りない部分なのかもしれません。

お施主さんとも色々な意見を交わしましたが、
今回は残念ながら取り壊し、新しい建物を作ることになりました。

しかし、枠の内の大きな梁は生かして使おうと
慎重に取り外すことにしました。


この取り壊された建物のようにいつまでも愛され続けられる建物になるよう、
これから工事に取り組んでいきます。

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