ハウス・イン・ハウス
【makinonci】-02
昭和40年代の家屋の面影が残るアプローチ。
格子状のすっきりとした印象の扉を開けると、エントランスの意外な様子に初見の人はきっと驚くだろう。私も例に漏れず、である。
以前の壁や天井をはがし、手を加えることなく、剥き出しのまま仕上げたエントランス部分は、梁や筋交いも露わ。
往時の建材に記された材木商の屋号まで確認できる。
意表をつかれたような表情で眺めていると
「かつての家屋の古い骨組を残しつつ、入れ子状に部屋を加えるという発想」
と設計士。
「ダイニングやウエイティングスペース、キッチンなど、空調が必要な部分を区切って部屋をつくっていく。それ以外は“外”という感覚。言わば〈ハウス・イン・ハウス〉です。エントランスもアプローチの延長で、“外”と位置付けてのデザイン」とのこと。
単にリノベーションというに留まらない捻りの効いた計画。
設計士は「制約があればある程、どんどん新しいアイデアが湧いてくる」と目を輝かせる。
各部屋もそれぞれの趣があって個性的。次回はメインダイニングをレポートします!
【AZ】